私のヒーロー

稜也にはもう
寂しい想いをさせたくない。



優輝とだって……。
せっかく仲直りできたのに……。
もっと……一緒にいたいよ……。




私の頬に一筋の涙がつたる。




『うっ……うぅ……。
死にたくなんかないっ……』



泣き声だけが静かに響き渡る。



その時


私の目の前に
大きな光が現れた。




『な……なにっ……?』




涙で濡れた顔を手で拭いながら
私は光の方を見つめる。


眩しくて目を逸らしそうになるけど
なぜか逸らしちゃいけないような気がする。



だから私は
その光を見続けていた。





『馬鹿な貴方に
1つだけチャンスを与えよう』




いきなり機械の様な声が聞こえてきた。


でもどこから
聞こえているかは分からない。



それらしき物は
なに1つ見当たらない。




だけど
今までなかった物がそこにはあった。