私のヒーロー

「優輝!!
目を覚ませ!!」



ドカッと鈍い音と一緒に
俺の左頬に痛みが走った。


驚いて目の前を見れば
拳を握りしめて俺を睨む亮祐がいた。



亮祐が俺を殴った。


一瞬でそれが理解できる。




「……亜樹はな……。

お前にそんな顔を
させるために庇ったんじゃない。


浅木や優輝を大切に想ってるから
咄嗟に体が動いてたんだろう。



お前らの……

お前の笑顔を失いたくないから
あんな無茶をしたんだ!!」




亮祐の体が
小刻みに震えているのが分かった。



亜樹の事が心配でたまらないくせに
今すぐ駆けつけたいくせに


俺を心配してここに
残ってくれていることが丸分かりだ。



他の奴らは病院に行ったんだろう。



倉庫には俺と亮祐しかいない。



そんな静かで虚しい空間に
亮祐の怒鳴り声だけが響いている。