姫条 優輝Side-----------




いったい……
目の前で何が起きた……?


俺の腕の中で
グッタリ目を閉じている亜樹。




「おいっ……亜樹……」




軽く揺すっても目すら開かない。


なに寝てるんだよ……。

なぁ……。




「おいっ!!
救急車よべ!!」




遠くの方から
亮祐の怒鳴り声が聞こえてくる。


さっきまで煩かった倉庫も
嘘みたいに静まり返っている。




「亜樹!!」




浅木は心配そうに亜樹を覗き込んでいる。



何でそんなに慌ててるんだよ……。



亜樹は寝てるだけだろ……?


何時間も闘ったから
疲れただけだろ……?



そう思いたのに
さっきから俺の目からは涙しか出てこない。



どうして……。
どうしてだよ!!