私のヒーロー

「っち……。
面倒くせぇ事しやがって……」

「……」



楼孤のトップは
蒼太を思いっきり睨んでいた。


……蒼太は自分の立場があるのに
それを顧みず私たちを助けようとしてくれた。



やっぱり蒼太は……。
いい人なのかもね……。


仕方なく……。
稜也を裏切っちゃっただけなんだよね……?





「亜樹……俺の後ろに隠れてろ」

「え……?」

「危ねぇから」




考え込んでいたら
優輝は私の腕を掴み自分の後ろへと追いやった。



危ないって……。
優輝って私が戦えること忘れてる?


優輝の前ではした事なかったっけ?




「大丈夫だよ!」

「駄目だ」

「もー!

ヒーローは
守られてばかりじゃいられないの!」



私が笑えば優輝は深くタメ息をついた。




「危なくなったら逃げろよ」

「はーい!」



私に何を言っても
無駄なのが分かったように優輝は
闘う事を許してくれた。