私のヒーロー

ははっ……。

闘う気力すらないよ。


もうどうにでもなれ。



どうせ私は……。
もう後戻りできないんだから。




「うっ!!」



いきなりお腹を殴られ
私は地面に倒れこむ。



「っ……」



稜也も同じように地面に沈んでいた。



次から次へと体に衝撃が走る。



私たちこのまま……
死んじゃうのかな……。



せめて……。
優輝にひと言……謝りたかったな……。




「亜樹!!」



あぁ……。
とうとう幻覚まで見えてきたみたい……。




優輝の声が聞こえる……。

もうダメかも……。




すると
殴られていた手がピタリと止まっていた。





「俺の女に手を出してんじゃねぇよ!」



殺気を放ちながら言う男。

それは間違いなく……。
優輝だった……。