私のヒーロー

「亜樹……稜也……。
逃げろっ……」



蒼太の苦しむ顔が
私の目に映った。


あー……。
私……馬鹿だ。


敵の罠にまんまとはまった。


傷つけないでいい所で……。
優輝を傷つけた。




「あ……ははっ……」



私は力なくその場にしゃがみ込む。



「なんなんだよ……」



稜也もその場に崩れ落ちた。




「まぁ……。
そう言う訳だ。

お前たちを
姫条から引き離すことで

アイツの気力を
奪うのが目的だったって訳。


その後に殺すつもりだった」




男の口から出てくる真実が
私たちに重くのしかかる。




「まぁ……。

知られたからには……。
お前らにはもう用はない。


消えて貰おうか」



男がそう言えば
大量の不良は私たちを囲む。