私のヒーロー

「待てよ亜樹。

俺の顔を見ろ。
何もない訳ねぇだろうーが!!」


「何もない。
だからもう……ほっといて」



お願いだから
これ以上は何も言わないで。




「ふざけんじゃねぇ!!

ちゃんと俺を頼れって……
約束しただろーが」

「もう……忘れた」



本当は覚えてる。

優輝と話した会話は
嘘みたいに全部頭に残ってる。



「……俺の事を好きだって
言ったのも忘れたのか?」


忘れる訳……
ないじゃん……。


私がこの世で……。
生まれて初めて愛した人に
言った言葉だもん。




「忘れた……」




でももう……。
私には優輝を愛す資格なんてないの。



だからお願い……。
もう忘れて……ぜんぶ……。




「じゃあこっち見て言え」



見れるわけないじゃん。

だって涙でぐちゃぐちゃの顔なんか見たら
優輝は私の事を助けようとするでしょ?


それで優輝が傷つくなんて嫌だ。