私のヒーロー

「亜樹!!」



部屋に入れば
勢いよく抱き着いてくる優輝が目に入る。


その温もりに包まれた私は
ただ呆然と立ち尽くしていた。



やっぱり……。
嫌だよっ……。


みんなと……
優輝と別れたくなんかないよ!!



でも……。

皆を守るって決めたから。
だから……。


お別れを言わなきゃ……。


そう思っても言葉が出てこない。


何も喋らない私を見かねてか
稜也はそっと口を開く。




「俺と亜樹は闇炎を抜ける」



聞きたくない言葉が
部屋いっぱいに広がっていった。



「へ……?
何言ってるの!?」

「冗談はやめろよ!」



翔と雅人が私たちに駆け寄ってくる。




「どういう事だよ」



亮祐もゆっくり傍にきた。




「亜樹……?
嘘だよな……?」



私を抱きしめる優輝の声が
弱弱しく耳元で発せられた。