一気に静まりかえる空間。

そこにどす黒い声が響く。




「仲間に喧嘩を売るな。
それに俺はお前より上の立場だ。

口のきき方には気を付けろ」



はっ……。
立場とかあるんだ……。


闇炎はそんなのなかったよ。


形は幹部って名前がついてるけど
みんな仲がいいし。

すごく楽しい場所だった。




「すみませんね?

でも……
仲良しごっこはするつもりないので!」



ニコッと笑えば
また男たちは騒ぎ出す。


……うるさいなー。


その中で稜也と蒼太だけは
心配そうに私を見ていた。



「そうか。
ならそれでいい」



やけにあっさりとした答えが
私に返ってきた。




「じゃあお前たちに
1つ仕事をしてもらう」



そう言った男の口角は
怖いくらいに吊り上った。



「姫条にお別れを行って来い」

「は……?」

「本当なら俺がお前らを
アイツに紹介するつもりだったが……。


まだ仲間意識がないみたいだしな。
自分の手でけじめをつけて来い」



どこまで最低な奴なんだ。


でもまぁ……。
仕方がないか……。


これが私の選んだ道だ。