「悩みがあるなら聞くわよ?」



鈴香は私が座っていたベンチに腰を掛けると
ゆっくりと私の方を向く。



「口に出したらスッキリするんじゃない?」




鈴香の言う通りかもしれない。


そう思って私は
ずっと考えていたことを口に出す。




「ある人が誰かに
傷つけられそうになってる時


私には何が出来ると思う?」

「それって……姫条くんのこと?」

「まぁ……いろんな人かな?」




優輝の事はもちろんだし……。

亮祐や雅人や翔。
闇炎の皆……。
稜也……。


私は誰にも傷ついて欲しくない。



でも……。
私も傷つきたくない。



優輝たちが教えてくれたから……。

1人で傷つかなくていいって。
仲間を頼れって……。


そう教えてくれた。


だから……
傷つくのが怖くなった……。



でも今回の事は
相談さえ出来ていないし……。



やっぱり言うべきかな……?


でも……楼孤のトップたちが


本当に優輝たちを
殺しに来たらどうしよう……。


その事で頭がいっぱいだ……。


私はちゃんと守れるかな……?
誰1人と傷つけることなく全員……。