私のヒーロー

だって私……。
優輝にお姫様抱っこされてるんだもん!


そりゃあ
暴れるに決まってるじゃん!!




「もう大丈夫だから降ろしてよ!」

「ダメだ。

俺より長く寝るって事は
お前も疲れてんだろ?」



『素直に甘えとけ』
優輝はそう言うとゆっくりと歩き出した。




「ちょっ!?
どこに行くの!?」

「教室」



何言ってるの!?
このまま行ったら……。


みんな大騒ぎだよ!?




「絶対に嫌だ!!」

「耳元で騒ぐんじゃねぇよ」




うっ……。
そんな事言われたって……。


心の中で悪態を
つきながら優輝を軽く睨む。




「……亜樹……ありがとな」

「え……?」



何でお礼なんか……?

意味が分からず優輝を見上げれば
フッと優しい笑みを浮かべていた。