「蒼太止めなって。
優輝が可哀想!」

「あ~これが愛って奴~?
憎いね~2人とも!」



……蒼太ってさ……。
こんなキャラだったんだ。


まぁ……いいけどさ。



2週間前に感じた私の胸のざわめきは
まるで嘘のように毎日が平和だ。



平和すぎて怖いくらいに……。




「亜樹……少し出るぞ」



私にだけ聞こえる声で
優輝はそう言うと席を立った。




「あれー?
優輝どこ行くんだー?」

「保健室だよ」

「体調悪いのか!?
俺もついて行こうか?」




蒼太が立ち上がろうとした時

私は急いで蒼太より早く立ち上がる。




「大丈夫だよ!
私が一緒に行くから!」

「……もしかして仮病か!?

保健室で
イチャイチャするつもりなんだろ~?」




ここは教室だというのに
大声で喋る蒼太。


みんなこっち見てるし……。
恥ずかしいじゃん!!



私は否定しながら
優輝と一緒に教室を後にした。