私のヒーロー

「亜樹ありがとう。

お前のお蔭で……
またこうして蒼太と笑いあえる」



そう言って稜也は私の頭を撫でる。



……あっ……。
名前呼びになってる。


それに稜也の目……。
すごく優しい……。



前までの冷たい目が
まるで嘘のようだ……。




「私は何もしてないでしょ！

2人がお互いに
真っ直ぐぶつかった結果だよ！」

「はっは……。
お前らしいな」



稜也の闇に包まれた過去は

安藤 蒼太と仲直りした事で
光へと変わっていった。




「……これからまたよろしく稜也」

「……あぁよろしく蒼太」



安藤 蒼太が差し出した手を

何の躊躇もなく握る稜也を見て
心が温かくなった。



あぁ……。
これでやっと……。


稜也は心から
笑うことが出来るんだ……。


今まで私や皆に
くれた笑顔も本物だと思う。


でも……。
今の笑顔の方がなんとなく……。


キラキラしている気がする。