私のヒーロー

「……1人じゃない……か」

「……うん」



そう……。
1人じゃないんだよ。


稜也は深呼吸をして
私をゆっくりと離す。




「亜樹……。
前に言ったこと覚えてるか?」

「え……?」



稜也の静かな声が
真っ直ぐと私に飛んでくる。



「安藤 蒼太とケリをつける時……。
お前には隣にいて欲しい……俺はそう言った」

「……覚えてるよ。
稜也が過去を話してくれた時だよね?」



稜也が大きな1歩を
踏み出した時だもん……。


忘れる訳ないよ……。




「あぁ……。

……前までの俺なら……。
アイツを恨み続けて……。

ケリをつけようなんて
思いもしなかっただろう」



そう言って稜也はふっと顔を緩めた。




「でもな……。
お前に会って俺は変われた。

亜樹が人を信じる事の
大切さを教えてくれた。

真っ直ぐ向き合う事の
大切さを教えてくれた……」



稜也の顔は

さっき教室で安藤 蒼太を
睨んでいた顔とは全く違う。


何かを決意した
真っ直ぐな顔つきをしていた。