私のヒーロー

「じゃあ今日は早めに解散するぞー」




先生のひと言で
ホームルームが終わった。



ざわざわと煩くなる教室に
私のタメ息が消えていく。



優輝みたいな性格は
こういう時は便利ね……。


ちょっと羨ましいかも。



「亜樹……帰ろう?」




ぎゅっと私の手を握る優輝。



……何か可愛いんだけど……。

胸がきゅんきゅんする……。





「ほら行くよ!」



手を引っ張られて教室を後にする。




「浅木くんも一緒に帰ろう」

「あぁ」



廊下で会った稜也も引き連れ
私たちは倉庫に向かって歩き出す。