「はぁ……」



軽くタメ息をつきながらも
心の中には……
嬉しい気持ちが溢れ出す。



文化祭でお互い素直になってから
私たちの距離はもっと縮まった。




「亜樹」



え……?
何で優輝の顔が近づいて……。

まさか教室でキスするんじゃ……!?


そう思った私は
勢いよく優輝の頬をパチンと両手で挟む。





「なにするのー……」



寂しそうな顔をする優輝。


でもこれは表向きだ。



裏では不機嫌そうに
顔を歪めているだろう……。




「教室ではダメ」

「じゃあ教室
じゃなかったらいいのかよ?」



耳元で囁かられ
思わず顔が紅くなる。




「そう言う訳じゃ!!」



大声を上げれば
また私の方に視線がやってきた。




「どうしたの亜樹?」



心配そうな顔をする優輝の頬を
つねりたい衝動に駆られる。