時はゆっくりと流れて
もう11月に入っていた。



あれから優輝の正体が
バレるんじゃないかって

ヒヤヒヤしてしてたけど
その心配はすぐに消えた。



男は優輝の事を
一切話さなかった。




『自分が亜樹を襲ったって
証言するようなもんだぞ?


わざわざバラす訳ねぇだろ』って


優輝が言ってた。


まぁ理由はどうあれ……。
安心した……。




「亜樹」

「優輝?」




優輝はいきなり私に抱き着く。




「ちょっ!?
ココ教室だよ!?」

「えー……」




えー……って!!
何を考えてるんだこの男は!!



クラスの皆の視線もこっちに来てるし!!



でもその視線は冷ややかなものじゃない。
温かく私たちを見守る視線だ。