私のヒーロー

「本当なら亜樹に触った奴は
こんなんじゃ許さねぇ……。


だが……。
今回は亜樹に免じて許してやる。


今度……亜樹に手を出してみろ。
生まれてきた事を後悔させてやるからな」




優輝の殺気に負けてか
男は何度も何度も頷いていた。


男の顔にはもはや
生気が見えない。


そうとう優輝が……
怖かったんだな……。




「じゃあさっさと失せやがれ!!」

「ひぃ!!」



凄い……。
あんな速さで走る人……


初めて見たかも……。




「亜樹」

「ゆう……!!」



私……優輝に抱きしめられてる……?



肌に感じる温もりが
耳に感じる優輝の吐息が

すごく心地良い……。



自然と優輝の背中に
腕を回していた。