私のヒーロー

「ごめん……ごめんなさいっ……」



優輝……。


あなたの気持ち……。


何も考えていなかった。
何も分かっていなかった。



「ごめんなさいっ……」



流れる涙が
震える体が


ぜんぶ教えてくれる。



私がどれだけあなたを……。
好きなのかを。


どれだけあなたを……。
……愛しているのかを……。



もう遅いかな……?


今さらだって思われるかな……?


でも私は……。

優輝が好きなんです……。





「亜樹」



私を呼ぶ声は
私の求めている声じゃない。


でもっ……。



「稜也……」



あまりにも
優しく呼ばれたせいか


私は目の前に立つ稜也が
まるで王子様のように見えた。