私のヒーロー

「浅木……」

「姫条

今すぐアイツを
追いかけてやれって言いたいが


今回は……。
今回だけは俺に譲ってくれ」



そう言って
浅木は教室から飛び出していった。



……はっ……。
嘘ばっか言いやがって。



亜樹が好きだって
丸わりじゃねぇか……。



アイツが嫌な性格なら……
思いっきり八つ当たりしてやんのに。


優しすぎだろーが……。


どうせなら……。
お前を嫌いになりたかった。


お前を憎みたかった。




でも……浅木……。
どうしてそんなにいい奴なんだよ。



本当に……。
亜樹や浅木といると……

自分の弱さや醜さが

痛いほど教えられちまうな……。



亜樹は……。

浅木といた方が
幸せなのかもしれない……。


だけど……。
俺は……亜樹を諦めたくねぇ。



俺がアイツを……。
幸せにする。


浅木には譲れない。



でも……。

今日だけは
アイツの傍にいてやってくれ。