私のヒーロー

「優輝だけが
傷ついてる訳じゃないんだよ!?」

「どういう意味だよ!」


「私だって……
他の女の子に嫉妬してるよ!

いつもいい顔しちゃってさ……」




私の口は止まらず
べらべらと余計な事を言ってしまう。



「私といるよりも……
他の女の子といた方が楽しいんじゃないの?」

「お前……」



違う……。
こんな事が言いたいわけじゃない。


ただ優輝に謝りたいだけなのに……。


お願い……。
もう止まってよ……。



「優輝こそ私の事なんて
好きじゃないんでしょ?」

「そんな訳ねぇだろ!!」



どんどん優輝の顔が
“怒り”と“哀しみ”に染まっていく。



「……もう分かんないよ。
優輝の事が……もう分かんない!」

「おい亜樹……!」

「私……優輝といると……
凄く……辛いよ……」



あぁ……。
馬鹿だ……。


私……なんてことを……。

辛いなんて……思ってないのに……。
一緒にいたいのに……。



「ごめん……。
私……頭冷やしてくる……」

「……」



傷ついた顔の優輝を置いて
私は教室から飛び出した。



「亜樹!!」



廊下に出れば
心配そうな顔の稜也が目に入る。


でも……。



「ごめん……稜也……」



私は稜也を避けて走り去る。

今は誰とも喋りたくない……。