私のヒーロー

「稜也……?」

「……」




何で私は稜也に抱きしめられて……。

そんな疑問はどうでも良かった。




「凄く……可愛い」




耳元で低く囁かれたその声に
体が熱くなるのが分かった。




「……稜也……?」

「あっ……悪い……」



稜也はバッと私から離れると
私に背中を向けていた。




「どうしたの……?」

「何でもない」



稜也は
それ以上は何も言わなかった。


何かちょっと気まずいかも……。


空気を変えるため
私は違う話を稜也にふる。




「そう言えば優輝は?」

「姫条は……」



稜也は言いにくそうに言葉を濁す。


どうしたんだろう……?