私のヒーロー

「うっ……」



ちゃんと着たけど……。
絶対に似合わないよ!


こんな可愛い服……
着た事ないし!!



皆の前に出るの嫌だな~。




「おい亜樹。

もう着たか?」



扉の向こうからいきなり
稜也の声が聞こえてきた。


わっ!?
どうしよう!?


恥ずかしすぎる!!



「亜樹?」

「着たには着たんだけど……」

「は?入るぞ?」



扉が開く音がしたので
私は咄嗟にカーテンにくるまった。




「……あっ……」



私の口から小さな声が漏れる。


だって……。


目の前にいる稜也は
王子様の格好をしていたんだもん。



黒を主体とした服。


クールな稜也の
雰囲気にはピッタリだった。