私のヒーロー

「こーら……亜樹。
佐藤くんに迷惑掛けたら駄目でしょ?」

「ったく……諦めろ」



後ろから声が聞こえ振り向けば

呆れた様な顔をする優輝と稜也がいた。




「だって……」

「だってじゃないでしょ?」




優輝に頭を優しく撫でられる。

でも顔はちょっと怒ってる様な……。




「他の男にあんな可愛い顔……
見せんじゃねぇよ」



耳元でボソッと
言われるその言葉に
私の顔は一気に紅くなる。



可愛い顔なんかしてないし!
そう思って反論しようとした時




「あっ!!」

「悪かったな佐藤」

「ありがとう浅木ー。
助かったよ!」



私の手にあったヒーロースーツは
稜也に抜き取られ……

佐藤くんの元に行ってしまった。




「私のヒーローが……」




手を伸ばしても届くはずなく
私の手は優輝に優しく掴まれる。