私のヒーロー

そしてその顔は
真っ直ぐに稜也に向けられていた。




「ごめんなさい」

「悪かった」



クラスの皆が
稜也に頭を下げていた。


……もう。
私の出番はないみたいね……。




「……亜樹」

「良かったね……稜也」

「お前のお蔭だ」



稜也の顔は
今まで見た中で……


1番いい笑顔だった。



私は軽く首を横に振り

稜也の手をそっと離す。




「さっきは無視してごめん……」

「浅木くんっ……。
一緒に作業しよーぜ!!」



稜也はあっという間に
クラスの子たちに囲まれる。



その光景を見てたら
なんか……涙が出てきた……。



私は誰にも気づかれないように
そっと教室から出て行く。