私のヒーロー

その心配も嘘なんでしょ?


お父さんとお母さんが仲良いのも嘘。
私に会いたかったっていうのも嘘。



全部……ぜんぶぜんぶ!!

お金の為なんでしょ……?




せっかく願いが叶ったと思ったのに……。





「ふざけんなよ!!」



私の口から出た叫びは
数年分の“怒り”が詰まったものだった。




「亜樹!?

いきなりどうしたのよ!?」

「何がいきなりよ……。

私の気持ちなんて……。
これっぽちも分かってない」




私の“想い”だって
きっと何も伝わっていない。



「亜樹?
落ち着きなさい?」

「話せばわかるから。

……なっ?」



そうやってさ……。
優しい声で話しかけるのも。


私の機嫌を損ねないようにでしょ?


私が社長の息子と結婚するように
私を上手く取り込もうとしている。


ぜんぶ顔に出てんだよ。