「静かにしろ」

「稜也!!」



しつこいくらいに
聞いていたら稜也に睨まれてしまった。


うぅ……。
でも何かしたいのに……。


落ち込んでいれば
稜也は呆れた様にタメ息をついた。



「亜樹」

「何!?

欲しいもの見つかっ……!?」



稜也の方を振り向けば
いきなり顔が目の前にあった。


ビックリしている暇もなく
私のおでこに柔らかい感触が……。



「礼は貰った。

……悪い……先帰るわ」



稜也は立ち上がると
スタスタとどこかに行ってしまう。



「い……今のって……」



私はおでこに優しく手をあてる。

あの柔らかい感触って唇だよね……?

って事は!!
私……。



稜也にキスされた!?
……おでこだけど……。


それでも!
は……恥ずかしいよ……!!


一気に顔の体温が
上昇するのが分かった。



そんな私の気持ちを知る由もなく
夜空にはまだ花火が打ちあがっていた。