私のヒーロー

うーん……。
恋かー……。



「恋ってなんだと思う?」

「……は?」



そんな怖い顔で
見なくたっていいじゃん。


私は隣にいる目つきが
怖い男にもう1度尋ねる。



「だから恋ってなに?
って……浅木くん聞いてる!?」

「……」



もう。


鈴香に『努力してみる』
とは言ったものの……。



「やっぱり無理だよー」



私はゴロンっと仰向けに寝転ぶ。
やっぱり屋上は落ち着くなー。


青い空
降り注ぐ光
全てが私を包み込んでくれる。


そして
授業をサボっているという事さえ
消してくれるような……。


……そんな訳ないか。


今は5時間目の真っ最中。
お昼休みが終わった瞬間に
教室を抜け出して屋上に来た私。