「……友達だよ」

「その顔は……男だね」

「え!?」

「分かりやすいねーアンタは」




何で分かったの!?

驚いていれば鈴香はタメ息をついた。



「早く仲直りしなよー?

アンタにタメ息は似合わないよ」

「……ありがとう」




何も聞かずに
そう言って私を励ましてくれる鈴香。




「さっ!!

浴衣選んじゃおう!!

アタシが友達を
惚れさえちゃうようなやつ選んであげる」

「それは遠慮しておく!!」




鈴香と2人で
顔を見合わせて笑いあう。




「あっ……これ」

「珍しいじゃんー!
赤は分かるけど黒選ぶなんて」




私は赤と黒の
浴衣に目を奪われていた。



鈴香が驚くのも分かる。
私は元から赤は好きだったけど

黒はあまり好きじゃなかった。


でも……。
最近……好きなんだよねー。