私のヒーロー

「まぁ、確かに格好良いけど……。
そう言うんじゃないんだよねー」



そう言いながら
から揚げにかぶりつく鈴香。


なんかよく分からないな。
そう言うんじゃないって?


好きでもないのに
キャーキャー言うのかな?


まぁ……。
どうでもいいや。



「っで?
亜樹は好きな人いるの?」

「いるよ」



私が言えば
鈴香は満面な笑みを浮かべ
身を乗り出して私を見ている。



「嘘!?誰!?」



顔……近い……。

何でそんなに
テンション上がるの?



「優しくて明るくて」

「うんうん!!」

「困っている人がいたら
手を差し伸べて……」

「……うん」



さっきまで満面な笑みだったのに
今は凄く怖い顔をしている鈴香。


さすが幼馴染。
私の言う事が分かったみたい。