私のヒーロー

「亜樹……。
大丈夫だから」




私を抱きしめてくれるのは……。



「りょう……や……」



稜也だ。
優しく私の背中を撫でてくれる。



「落ち着いたか?」

「……うん……」



異常なほど震えていた私の体は
いつの間にか普通に戻っていた。




「……一体なにがあったんだ?」




亮祐の声が
工場に静かに消えていく。


……亮祐が疑問を持つのは当然だ。



いきなり震えだせば
誰だって変に思う。



「……」

「亜樹……。
話した方がいい」




何も言えずにいれば

稜也は私から離れ
真っ直ぐと私を見つめる。




「俺は時間が経てば……
元通りになる……そう思ってた」




稜也の強い眼差しに
目が逸らせない。