私のヒーロー

稜也に連れてこられたのは
あの時の工場だった……。



あ……。

私の体は自然に震えだす。




『調子にのるからこうなるんだよ』



あの時の
優輝の声が……


頭に浮かんでくる。




そして優輝が男を殴る映像が
次々と頭に浮かぶ。




「……うっ……」

「亜樹?」



私の体は
崩れ落ちる様に地面に沈む。





「亜樹!?」




みんなの声が
遠くの方で聞こえる。




「……だ……ぶ」



“大丈夫”
そのひと言さえ発せられない。



それくらい私の
心も体も蝕まれていた。