私のヒーロー

「とりあえず……
アイツらに連絡するからな」



そう言って
亮祐は誰かに電話し始めた。


アイツらって言うのは多分……。

優輝と

雅人と翔の事だろう。


2人まで
私を探しに行ってくれたのか……。


そう思うと心苦しい。





「亜樹……大丈夫か?」

「うん……」



電話を終えた
亮祐は私を心配してくれる。


その顔を見ると
罪悪感が芽生える……。



何も言えなくてごめん。


ただ謝る事しか出来ないなんて
やっぱり私は……。


弱い人間だ。

こんな自分……大嫌い。



グッと拳を握りしめる。





「亜樹」

「……稜也?」




握りしめた拳を
上から優しく包む大きな手。



それは他の誰でもない
稜也の手だった……。