「亜樹!!」

「亮祐……」



幹部の部屋に入れば
そこには亮祐しかいなかった。


心配してくれるように亮祐は
私に駆け寄ってくる。




「何かあったのか?

心配してたんだぞ」



いつも爽やかな笑顔の亮祐の顔が
今は心配と安心が混ざりあっていた。




「ごめん……」

「謝っただけじゃ分からないだろ?」

「ごめん」



私は亮祐を避けて
ソファーに体を沈ませる。


皆にこれ以上……
心配は掛けたくない。


でも……。
どうしても理由は言えなかった。



優輝を追いかけて飛び出したって
事くらいは亮祐にだって分かるはず。


だけど……。
そこで何があったかなんて……。


言えないよ……。




「おい亜樹……」

「原田……。
少しそっとしといてやれ」



問い詰めて来ようとした亮祐を
やんわりと止めてくれる稜也。



その優しが私は
凄く……嬉しかった。