“爽やか王子”とは
姫条くんの事。


誰が付けたかは知らないけど
一気に広まり学校中に浸透していた。



「なによ、その苦笑いは!!」

「だって……。
可哀想じゃん、姫条くん」



あんなにキャーキャー騒がれたら
私だったら絶対に耐えられないと思う。




「やっぱり
あんたは変わってるわね……」

「うっ……」



また“変わってる”
って言われた……。


落ち込んでいれば
さっきまで遠くの方で聞こえていた
黄色い声が近づいてきた気がした。



「おはよう。
神崎さん、朋坂さん」



上から降ってくる優しい声に
顔を上げれば

爽やかな笑顔を
向けている姫条くんがいた。