私のヒーロー

「じゃあそろそろ終わるか~」

「やった!!」



松本先生の声で
みんな一斉に立ち上がる。




「気を付けて帰れよ~!
夏休みしっかり楽しめよ!!」

「は~い!!」



うん……。
こういう時の団結力は素晴らしいね。


みんなの声が重なったのを
苦笑いしながら見ていた。




「亜樹!!
夏休み遊ぼうね!」

「当たり前じゃん!
鈴香とデートだね!」



笑いながら言えば
鈴香はバシッと私の頭を叩く。


え!?
何で叩かれたの私!?


目を見開いて鈴香を見れば
大袈裟にタメ息をついていた。




「アンタがデートするのは
アタシじゃなくて……」



そう言いながら鈴香が見るのは
女の子に囲まれている優輝だった。




「姫条くんとでしょーが」

「……あはは……」



優輝とデート……か。
そういえばいた事ないな……。


してみたいかも……。
デート……。