私のヒーロー

「おい」

「へ!?」



浅木くんが話しかけてくれた!!
まだ睨まれたままだけど嬉しい!



「何!?」

「……」



浅木くんは
再び壁にもたれかかって座る。


そして立っている私を
見上げるとゆっくりと口を開いた。



「アイツには注意しておけ」

「え……」



浅木くんの言っている意味が分からず
ただ呆然と見つめる事しか出来ない。



「あの男だ。
さっきまでお前といた」



その言葉で
『アイツ』というのが
姫条くんの事だと分かった。


でもどうして……?
姫条くんに注意しろなんて言うんだろ?