私のヒーロー

「優輝!!」




私は教室の扉を開けながら
優輝の名前を大声で呼ぶ。




「神崎!
お前なー授業はとっくに……」




松本先生の話が
耳からすり抜けていく。


ごめんなさい先生。
クラスの皆……。
ちょっと授業妨害をさせてください。




「あ……亜樹?」




優輝はビックリしたように
私を見ている。


たぶん……。
もっと驚かせるかも……。




「優輝……ごめん。
……私が間違ってた」

「え……?」



優輝の戸惑ったような顔が目に入る。


話を続けようとしたら
怒った顔の松本先生が近づいてくる。


まぁ……。
怒って当然だけど……。




「おい神崎、今は授業中だ!
……って言いたい所だが……」



松本先生は
わざとらしくタメ息をつく。



「今のお前は見た事も無いくらい
いい顔をしているから
……今日だけは許してやる」

「へ?」

「さっさと続けろ!!」




松本先生がニカッと笑ってくれる。

それに続くようにクラスの皆も
『頑張れ!』って応援してくれる。


本当に……。
いい先生とクラスに恵まれたよ。