私のヒーロー

地面に倒れこむ私に向かって
スマホを向けている。


多分さっき杉下センパイが言ってた
ビデオを撮ってるんだろう……。




「えーっと……。

じゃあ今から可哀想な悲劇のヒロインを
更なるどん底に落としまーす」



軽い口調で言う男たち。

私は一体……
どうなるんだろう……?



痛む背中が
自分は何もできないと言う事実を突きつける。




「じゃあ……。
楽しませてくれよ?」



グイッと倒れている体を
引き寄せられる。



「やめ……」



ゆっくり近づいてくる男の顔。


まさかキスされる……?
や……やだ……。


抵抗しようとしても
背中が痛むだけでビクともしない。




「……やめろ」




もう少しで唇が重なるって所で

誰かの声が男の動きを止めた。