私のヒーロー

「浅木くーん!!」



私は名前を呼ぶと同時に
給水塔の近くの空間に飛び上がった。



「……」



浅木くんは
私の方を向く事はなく
ずっと目を瞑っていた。


壁に背中を預けるようにして
もたれかかっている浅木くん。


私は当たり前のように
その横に腰を降ろす。


私が屋上を好きな理由の
もう1つは浅木くんがここにいるから。



「寝てる時は
可愛い顔してるのに」



起きている時は
殺気が凄いからなー。
別人みたい。



「また独り言か」

「わ!?
起きてたの!?」



いきなりパチッと目が開き
私は驚いて立ち上がる。


その拍子に足がふらつき
下に落ちそうになる。


やばっ……。
結構距離があるのに……。