私のヒーロー

「って事で
あんまり浅木と仲良くすんなよ」



『って事で』の
意味が分からないんだけど……。


まぁいっか。
でも……。



「いやだ!!」

「は!?」

「稜也は親友だもん。
仲良くしたいし!!」

「何が『親友だもん』だ!!
お前は俺の傍に入ればいいんだよ!!」



何ていう自分勝手な男なんだ……。

さっきまでの
可愛い優輝は一体どこへ行ったやら……。




「不安なんだよ……」

「え……」




優輝の目は
どこか寂しそうだった。


揺れる瞳に
真っ直ぐ見つめられて動けなくなる。




「お前がどこかに行きそうで……。
俺じゃない男に惹かれそうで怖いんだよ」

「優輝……」

「俺はお前に誇れる男じゃない。
“不良”だし……人を騙し続けてるし……。

だけどよ……お前を。
亜樹を失いたくねぇんだよ!」




優輝は強く私を抱きしめる。

その体は震えていて……。

私はただその体を
包み込む事しか出来なかった。