私のヒーロー

チャイムが鳴って
昼休みの終わりを告げる。




「……教室……戻ろうか」



空からゆっくりと私に
視線を移す姫条くん。


授業が始まるし
本当だったら戻らなければ行けない。


でも今は……。
授業を受ける気分ではなかった。



「先に戻ってて!
あ……教室1人で帰れる?」

「大丈夫だけど……。
どうしたの?」

「どうもしないよ!」

「そっか……。
じゃあ先に行くね。
案内ありがとう」



そう言って姫条くんは
屋上から出て行った。