私のヒーロー

「何も知らないでいい気なもんだな……」

「何の事だよ!?」

「コイツはな……」

「……稜也も優輝もストップ」




私はぎゅっと
2人の手のひらを握る。



すると2人は急に静かになった。




「あのね……。
ここは学校だよ?

優輝はもっと慎重になって?
バレても知らないよ?


それと……。

稜也、約束したでしょ?」




稜也はきっと……。

優輝に杉下センパイのことを
話しそうになったんだと思う。


でもそれはわざとじゃない。


感情が高まりすぎただけだと思うから。




「悪い……」

「気にしないで?
悪気はなかったでしょ?」

「あぁ……」



稜也は申し訳なさそうに眉を下げる。


やっぱり……
わざとじゃなかった。




「……っち。
帰るぞ亜樹」



優輝は無理やり
私の腕を引っ張り歩きだす。


その拍子に
繋がれていた私と稜也の手が離れる。


離れた瞬間
稜也の顔は少し歪んで見えた。


声を掛けようとしたけど
優輝はそれを許さない。


引っ張る手が痛いくらいに握られる。