私のヒーロー

「……」



考えていれば
隣から視線を感じる。



「えっ……」



顔をチラッと向ければ
優輝がこっちを睨むように見ていた。



「……」



私と目が合うと
すぐパッと逸らされる。


学校では本性を出さない優輝。


でも今……。

ちょっとだけ
爽やかな笑顔が崩れていたような……。




「じゃあ今日はこれで終わる!!」



松本先生の声で
生徒たちがザワザワと立ち上がる。



そのせいで考えてたことが
一気に吹き飛んじゃったし。




「……帰るよ亜樹」

「うん。
また明日ね、稜也」

「あぁ。
気を付けろよ……色々」



優輝の声に
促されるように鞄を持ち

逆隣の席にいた稜也に笑顔を向ける。




「了解」



『色々』って言う言葉に含みを感じた。

たぶん優輝の
ファンの子たちの事を言ったんだろう。



何だかんだ言って
優しい稜也に軽く手を振り教室から出る。