私のヒーロー

「あー……。
面倒くさい……」



屋上で1人
ゴロンっと仰向けになる。


6限が始まるからって
鈴香を無理やり教室に行かせた。


ちょっと1人で
考えたいことがあったし。


でも……。
考えるのも面倒くさい。




「おい」

「……」

「亜樹」

「あっ、稜也じゃん」



いきなり目の前に現れた顔。
屋上の扉が開いた音はしなかった。

って事は……。



「ずっとあそこにいたの?」



給水塔の所に目を向けながら聞けば
『あぁ』と短い答えが返ってきた。



あー……って事は
さっきの私と鈴香の会話……。



「女って大変だな」

「……やっぱり聞こえてたんだ」

「あれだけ大声で話してれば
嫌でも聞こえてくる」



相変わらずの無表情の稜也。

でもそこには
前まであった冷たい目はなかった。