私のヒーロー

「……いた」



やっぱり今日もあそこにいた。

アイツは
いつもあそこにいる。


お昼休みの時も
授業をサボる時も……。



「いた?」

「え?
何でもない!!」



やばっ……。
声に出ていたみたい。

私は
ブンブンと首を横に振る。



「ふふっ。
神崎さんはやっぱり面白い」

「面白くない!!」



勢いで否定したけど……。
これは褒め言葉だよね……?



「……でも……。
ありがとう」



だから一応
お礼を言っておこう。



「神崎さんってさ……。
“変わってるね”ってよく言われない?」

「うっ……」

「言われるんだ」



私が何も言えずにいると
姫条くんはクスクスと笑っていた。