私のヒーロー

「神崎さん?」

「あ……何でもないよ!」



考え込んでいれば
姫条くんは心配そうにこっちを見ている。


なに心配かけてるんだろう!?
こんなんじゃヒーローになれない!!



「さっ!!
ここが最後の場所であり……。
私の大好きな場所です~!!」



バンッと音を立てて扉を開けば
青い空が目に入る。

雲一つない……。
綺麗な空。


さっきまで私たちの後を
着いて来ていた生徒たちも
気付けばいなくなっていた。




「屋上……。
ここが神崎さんのお気に入りの場所?」

「うん!!」




私がここを好きな理由。

それは空が見えて
開放的だからって言うのもあるけど……。


そう思いながら
私はある場所に目を向ける。


上の方に
給水塔がありその近くには
ちょっとした空間がある。


まぁ誰も登ろうとはしないけど。
……たった1人を除いては……。