私のヒーロー

「自分が信じたいものを信じ……
守りたいものを守る。


……それでいいじゃないですか」




誰かの意見に惑わされる事なく
自分の意志を貫き通す。


それは本当に難しい事だと思う。


人間関係とか世間の目とか

大人になればなるほど
それに縛られていく。


だけど……。

縛られてばかりだと
自分が無くなっちゃうよ……。




「信じたいもの……?」




男はポツリと呟き
私に近づいてくる。


私が乗っている台の真ん前に来ると
男は真っ直ぐと私を見てきた。



「お前の信じたいものはなんだ?」




私の信じたいもの……。

頭の中にパッと
浮かんだものを口に出していく。




「正義やヒーロー。
あと友達……それに……」



チラッと横を見れば
優輝は真剣な目つきで
私を見ていた。


ふっ……。
なんか……優しい目してるし。