私のヒーロー

「そんな事はどうでもいい!!
お前は何で人の事ばっかり……」

「もー静かに!!」

「ん!?」




まだ騒ぐ優輝の口を両手で塞ぐ。


あれ?
顔が紅い……。


苦しかったかな?

手を離せば
ゼーゼーと大袈裟に息をしている。





「お前は俺を殺す気か!?」

「いやいや。
そんな訳ないでしょ」




何で私が……。
優輝ってたまに変になるよねー。




「お前は……。
悔しくないのか?

アイツらに
馬鹿にされて!!」




『悔しくないのか』って
言われてもねー……。




「それだけ
優輝の事が好きって事でしょ?」




誰かの想いを
否定しようなんて思わない。


誰かを傷つけてるならまだしも
相手が私だから……。


別に言い返さなくても……。
ねー……?




「本当に馬鹿だ」

「……バカって言わないでよー」

「馬鹿」

「ちょっ!!」



優輝って人の話を
聞いてないよね!?




「でも……。
そんな亜樹が好きだ」

「……」




な……何でいきなり!

サラッとそういう事
言わないでよ!!



恥ずかしいじゃんっ……。