私のヒーロー

「亜樹に彼氏が出来るなんて~!」

「奇跡だよな!」

「しかも“爽やか王子”!!」

「羨ましい~!!」




さ……騒がしい。

みんなは私の周りに集まってきて
ワイワイとしている。



稜也は自分の席で
無表情を貫いているけどさ……。




「おめでとう!」

「あ……ありがとう……」



戸惑いながらも
笑顔を浮かべればみんなも
嬉しそうにはしゃいでいる。



なんか……。
いいクラスに恵まれたな……。




「あっ!
王子様の登場よ!!」

「え?」



皆の視線の方を向けば

キラキラとした笑みを
浮かべる優輝が立っていた。




「……何の騒ぎ?」

「私たちが付き合ってる事を
喜んでくれているみたい」




私が言えば
優輝は一瞬驚いた顔をしたけど

すぐいつもの笑顔に戻った。